月刊食堂2008年4月号にとんかつの武蔵グループが掲載されました。
高い業務能力以上に人格者であることが重要
副主任以上の役職に就くには、まず、店長の推薦が必要。その後、本部役員が現場を視察し、昇格候補者の仕事ぶりや従業員からの評価を考慮し審査する。基本的には副主任→主任→副長・調理長の順で昇格。ひとつの役職の中にも段階を設けており、スキルの熟練度をわかりやすくしているのが特徴だ。
副長・調理長の後は、いよいよ店長となるが、店長に必要な能力について、同社取締役副社長の河合昭人氏はこう語る。「当社では店長はいつでも独立できる技量があるものと考えています。ですから店舗運営のすべてを確実に実行できなければなりません」そのうえで「仕事に厳しく、人にやさしい人であること。部下の自尊心を育みつつチームワークを重視する心も求められます。的確に業務が行えても、人格や強い精神力、従業員からの高い評価がなければ、店長になることはできません」と人間性の重要さを強調する。店長の先は統括店長→スーパーバイザー→役員という段階を踏むが、店長職に就く時点で高い店舗運営能力を習得しているため、独立することも可能だ。さらに同社では、店舗運営に必要な知識を探るため、現場外の教育にも注力。たとえば、河合氏が定期的に開催する"河合塾"という勉強会や積極的に参加を促している社外の講習会などがそれだ。また、店舗単位で"ノミニケーション"と呼ばれる飲み会を随時開催。店長は売上げの0.2%を従業員のために使うことができ、部下との相互理解を探るために活用している。こうした取り組みは"4者満足"を突き詰めた結果、考案されたもの。明確な仕組みと人間性を大切にした人材育成が高い店舗力を築いている。